松文館裁判

正式な記録でなく私が口頭で聞いた内容の記憶を元にしているので
正確でない部分がある可能性がありますので、
その辺には留意して下さい。

●様子


判決理由の前に冒頭から刑の言い渡し。
懲役1年執行猶予3年。
私の前の席に座っていた人が「不当判決だ」と叫んで立ち上がりました。
すぐに退廷させられてましたが、なんか裁判官の目が怯え気味。
落ち着いた声で「退廷を命じます」とか言えば威厳があるのに
上ずった声で「退廷っ」とか叫んでました。
その後不安そうな裁判官のかなり頭のおかしい判決言い渡し
が続き、その間もメモを取るペンや紙の音に神経質になっている裁判官。
この裁判検察があまりに不甲斐ないために裁判所VS弁護側という
戦いになっておりましたから、
傍聴人席が記者以外全員裁判官の敵です、プレッシャーはあったでしょう。
私も思いっきり睨んでましたし。


●内容


裁判所が弁護人の主張を否定する為に統計データをはじめ
本来検察が出してくるであろう証拠を一杯集めてくる
という変わった判決でした。
検察のあいも変わらず主張してきた青少年健全育成の主張に
関しては、刑法175条が間接的に保護法益にしているとして
宮代真司の証言を無視して刑法175条が合憲とする理由の一つに採用。
その一方で、ゾーニングをしても青少年への影響は直接の保護法益では
ないから無罪の根拠にはならないとされ、
情状酌量の根拠にも加えられませんでした。
都合良すぎです。
せめて執行猶予付ける理由にゾーニング入れれば理屈だけは通るのですが。
園田証人の密室は刑法175条のわいせつには当たらないとする
判断も証人は感覚がマヒしているの一言で切って捨てる。
故意の問題についても他の出版社と比較しても警察の専門家に聞いたわけでは
ないから故意の否定にはならないと判断。
これは裁判終了後弁護士さんの話していた事なのですが、
警察に聞きに行った場合、答えると事実上の検閲になるから
教えてくれないそうです。
素敵極まりないですね。
二日経過して記憶が曖昧なので
正確な判決文がネット上に公開されたらもう少し詳しく
考察してみようと思います。


とにかく裁判所対弁護側という構造のはっきり見える裁判でした、
検察と裁判所が癒着してるのは知っていましたがここまで
露骨に共闘されると驚きです。
一応弁護側の主張は一つづつ否定してるのですが
証人の意見にはほとんど触れていません。
刑法学者、憲法学者社会学者、精神分析医、
仮にわいせつ判断が裁判所の
専任事項でも法廷に呼ばれた有識者の意見を
十分に吟味する事は当然すべきでしょう。
大阪府青少年健全育成審議会第2部会の会長である園田氏
がエロ本の審査しすぎで感覚がマヒしているというなら
若い頃から一日十数時間も法律やってる方々なんて
色々マヒしまくっていそうですが。